《Summer Pockets》 Short Story~在夏日的绚烂之中~空门苍篇

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《Summer Pockets》 Short Story~在夏日的绚烂之中~

空门苍篇】

译者:书书[1]

日本語 中文

《Summer Pockets》 SS 0101.png
<夢のまにまに>

どこでも眠ってしまう。
それは七影蝶に触れて、他人の記憶を視る代償。
寝ている間に、人は記憶の整理をするのは本当なんだと、実感していた。
とは言え、熟睡しているわけじゃない。
ずっと夢と現実の間をたゆたっているような感覚。
だから、誰かが近づけばすぐに目を覚ます。
「……ん? 何してんの?」
目を覚ましたあたしから数歩手前に、妙な格好をしている良一と天善がいた。
片足で必死にバランスをとっている。
「あー……蒼ちゃんがめざめたごっこ?」
「気配を断ってスマッシュを打つ特訓だ」
「どっちも意味がわかんないんだけど……」
「だるまさんがころんだみてーなもんだ」
「卓球の特訓だ」
「だからわかんないって……」
「どのくらいまで蒼の近くに行けるか試したかったらしい」
「あ、のみき。って、なんで水鉄砲構えてるの?」
「無論、一定距離まで近づいたら、2人を撃つためだ。寝ている女の子は守らねばならないからな」
のみきはそう言って、水鉄砲を下ろす。
「しかし、蒼も無防備が過ぎるぞ。年頃の女の子なんだから少しは気にした方が良い」
「んー、大丈夫でしょ?」
「その根拠がわからないぞ」
「だって、島の人達って生まれた時からずっと一緒だから家族みたいなもんじゃない?」
ちらりと良一を見る。
「え? 無理。蒼は俺の守備範囲外だからな。年齢下げてから来てくれ」
「何か危険なことを言わなかったか?」
のみきが怪訝な顔をしながら水鉄砲のグリップを握る。
天善はと言うと……
「そんな貧相な乳房に劣情を催すとでも? まったく失礼な話だ」
「失礼なのはあんたよ! 同世代じゃご立派な方よ!」
「のみき、最近肩こりが酷いって言ってたな?」
「ああ、カップ数が上がって、Fになった」
「もっとご立派でなによりですーーーー!」
負けた! のみきに負けた!
なんかずるくない? ちっちゃいくせにおっぱい大きいって!
「つーか、蒼に手を出すなんて、そんな恐ろしいことできっかよ」
「うむ、まだ命が惜しいのでな」
「うん? どういうこと?」
良一と天善は目をそらしながら、でも声をぴったりと揃えて言った。
「「藍が怖い」」
よく分からないけど、この2人は藍にトラウマのような物をもっているみたいね。
あたしは優しい藍しか知らないんだけどなぁ。
「ふわあぁ~……」
「まだ眠いのか?」
あくびをするあたしを呆れたようにのみきが見ている。
「んー……熟睡してるわけじゃないし、微睡んでるのを繰り返してるだけだから……」
「学校でも寝てばっかりなのに、なんで成績いいんだ?」
「睡眠学習だと思って」
あながち嘘じゃない。
七影蝶のおかげで「知識」だけは人一倍どころか……何倍なんだろう?
とにかく、物事だけはよく識っている。
ふと、空を……太陽を見上げる。
「あ、もう2時か。バイトに行かなきゃ」
季節と太陽の位置で、大体の時間が分かる。
これも、七影蝶に触れた「記憶」で得た知識の一つだった。
空気の匂いや、指先をこすったときの湿気の感じで翌日の天気とかも分かる。
「蒼って、おばーちゃんの知恵袋みたいな時あるよな」
「その例え、変じゃない? あたし自身が知恵袋にならない?」
「ん? じゃあ、蒼っておばーちゃんみたいだな」
「ピチピチの女子高生ですーー!」


「ありがとうございましたー」
品物の代金を、ザルの中に入れる。
駄菓子屋のバイトも随分馴れてきた。
最初の頃は、駄菓子屋らしからぬ商品の多さに驚いてばかりだったけど。
普通、駄菓子屋に猟銃の弾とか置いてる?
あと通販代行サービス。
家に直接届けられると困るような物を、代わりに取り寄せるとか。
「はぁ~……島民たちの秘密を無理矢理知らされたみたいなものね」
駄菓子屋のおばーちゃんの発言力の強さの根幹はここにありそう。
お客さんがいなくなると、途端にすることがなくなる。
意味も無く、駄菓子の陳列を整えてみたりするけど、時間つぶしにもならない。
「ん?」
少し離れた物陰から、こっちをチラチラと見ている人影があった。
「しろは?」
「あっ……こ、こんにちは……」
少しばつの悪そうな顔で、恐る恐るこっちに近づいてくる。
「何か買いに来たの? それとも注文?」
「う、うん……そろそろ、入荷されてるかなと思って」
「あー、あれね。スイカバー」
「そう」
「まだよ」
「お邪魔しました」
「はやっ! 本当にそれだけのために来たの?」
「そうだけど……」
「お客さんいなくて暇だからちょっとおしゃべりしていかない?」
「え……なんで?」
「なんでって……え? なんで? 理由いる?」
「だって、最近そんなに話なんてしてないし……」
「だからじゃない。久々にガールズトークってのしない?」
「っ……でも……、私にあまりかまわないほうがいいよ」
「あー、あたしそれ気にしないから。鳴瀬家も大変よねー」
鳥白島において、空門家と鳴瀬家はちょっと特殊だった。
山の祭事を司る空門家、海の祭事を担っていた鳴瀬家。
担っていた、というのはもう過去のことだから。
元々は海の祭事「夏鳥の儀」は鳴瀬家が取り仕切っていた。
この島にある神社は鳴瀬神社というけど、それはその名残。
随分と昔、この島で起こる災害を予知した巫女さんがいたとか。
その予知のおかげで、多くの島民が命を救われた。
鳴瀬家はその直系にあたる。
予知がどうとかは本当なのか分からないけど、その災害を巫女が言い当てて島民が助かったというのは本当だ。
あたしは、七影蝶を通してそれを識っている。
過去を──人の記憶を識ることができる空門家は、生き字引のような存在だった。
七影蝶に触れちゃいけない事になってるけど、きっとご先祖様は触れていたんだと思う。
未来を知る鳴瀬、過去を識る空門。
この島にあって、特異な家系だ。
だから、しろはが不思議な力を持っているという噂も、あながち嘘じゃないと思っている。
といっても、今のご時世、そんなことを大っぴらに言えはしないけど。
「……じゃあ、少しだけ」
しろはは困ったような顔をしながらだけど、お店のベンチに座った。
あたしもその隣に座る。
「……………」
「……………」
会話がない。
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「えっとー、最近何してるの?」
「特に何も」
「もうすぐ夏休みねー、何か予定とかある?」
「特に何も」
「じゃあさ、したいこととかあったりする?」
「特に何も」
「もうちょっと言葉のキャッチボールしなさいよ!」
「そんなこと言われても……」
「はぁ~、なんでこんなにぼっち気質になっちゃったのよ。昔は一緒に遊んでたじゃない」
「そんなこと言われても……」
「だから言葉のキャッチボールしなさいよ!」
「そんなこと言われても……」
「あああーーーー! 昔はこんなんじゃなかったのにーーー!」
「……くす」
「え? 今、どこに笑うところあったの?」
「蒼は賑やかになったなって」
「そう?」
「だって、昔の蒼は藍にべったりだったから。すごく妹っていう感じしてた」
「そう……だったかしらね?」
たぶん、それは劣等感。
何をやっても藍には勝てなかったから、自然と萎縮していたんだと思う。
「お役目が、蒼を変えた?」
「山の祭事のこと? まぁー……ちょっとした使命感みたいなのは持っちゃったしね」
中学にあがった頃から、お母さんの代わりに始めた山の祭事。
夜の山を歩くのは、最初の頃は怖かった。
どうしても迷子になった時の事、藍の事故のことを思い出してしまうから。
初めて山を回った時、あの光る不思議な蝶を見つけた。
その時はお母さんも一緒だったけど、見えていたのは、あたしだけだった。
何も知らないあたしは、蝶に触れてしまったけど、運良くその蝶は山の祭事を知る蝶だった。
もしかすると、空門のご先祖様かもしれない。
でも、そのおかげで七影蝶のこと、空門のお役目のことを一晩で全部知ることができた。
もしかしたら、藍を目覚めさせることが出来るかもしれないということも知った。
あたしが変わったのだとしたら、きっとその時だと思う。
藍を見つけるんだという、決意が生まれたのだから。
「蒼……?」
心配そうにあたしを呼ぶ声に、意識が戻る。
「え? あ、なに?」
「急にぼーっとするから」
「あはは、ごめん、ちょっと考え事しちゃって」
「……れいげんいやちこなれ」
「え? なにそれ?」
「これを唱えれば、神様のご利益があるから。夜の山も、きっと大丈夫になる……と思う」
目をそらしながら、しろはが言う。
もしかして、心配してくれている?
「ふふ、ありがとう。えーっと、れいげんいやちん……っこ……な……な! 何言わせるのよ!」
「蒼……どうしてそんなにエロくなったの?」
「エ……エロちゃうわ! ちょっとだけ多感な年頃なんですーー!」
時々、悶々としたり、妄想にふけるのは七影蝶のせい。
うん、ちょっと知識だけが先行しちゃって、耳年増っていうのになってるだけ。
あたしは決してエロくない。エロいはずがない。

バイトの時間が終わると、あたしは島の診療所に向かう。
今日あったことを、眠り続けている藍に報告するために。
「……てな感じで、しろはのぼっち気質はどんどん加速してるのよ」
静かに寝息を立てている藍に対して、身振り手振りを入れながら話しかける。
見えるわけじゃないけど、こうした方があたしの感情や思っていることがより伝わる気がしているから。
「でも、優しいって根っこは変わってないの。だから藍が目を覚ましてもすぐに昔みたいに話ができると思うわ」
島のみんなは、藍のことを無理に話題から避けようとはしない。
気は遣っているとは思うけど、タブーのようにはしていない。
それは、きっと目を覚ますって信じてくれているからだと思う。
いつ戻ってきても、以前と変わりなく話が出来るようにと、話題の中に入れてくれている。
「さてと、それじゃー藍……、マッサージの時間よ」
あたしの目が光った。
病室のドアに「男子禁制」の札を掛けて、準備を始める。
眠ったきりの藍のお世話は、あたしの役目。
お湯で温めたタオルを使って体を拭いて上げたり、筋肉が強張らないようにマッサージをしたり。
「じゃあ藍、脱がすわよ」
患者衣の紐を解いて、藍の白い肌を空気にさらす。
ずっと部屋の中にいるから、あたしよりも白い肌をしている。
「よっと……」
タオルのお湯を絞って、首元から順番に拭いていく。
軽くこすった部分に微かに赤みが差す。血行が良くなっている証拠だ。
特に反応があるわけじゃないけど、体を揺すったり圧力がかかるせいで、吐息だけは零れる。
「ん……はぁ……」
と、時々藍の口から色っぽい声が漏れてドキッとする。
ちょっと……いけない事をしてる気分になる。
「ってーーー! 双子の姉相手に何考えてるのあたしーーー!」
煩悩を振り払うために目を閉じながら無心で藍の体を拭く。
拭き終わったら患者衣を元に戻して、筋肉をほぐすマッサージ。
関節とかも固くならないように、肘や膝を軽く曲げて上げる。
「ん……ふぅ……」
これまた色っぽい吐息が漏れる。
ドキっとするけど……、でも生きているんだって安心感もある。
マッサージをしながら藍の寝顔を覗き見る。
時々想像する。
マッサージをしている時、急に「くすぐったいよ」と言って、目を覚ましたりしないかな、と。
だから、わざとくすぐったりしたこともあった。
眉間にしわが寄ることもあったけど、それはあくまで「反応」でしかない。
そういえば、このマッサージの影響で困ったことが起きていた。
「むむ……藍の胸の成長が著しい……」
双子のはずなのに……この子の方がちょっと立派だ。
寝ていてもちゃんと成長するようにと、水織先輩から教わったバストマッサージをしてあげたらこの有様だ。
自分でもしてみたのに、この差はなんだろう。
人にして貰った方が効果があるとでも?
ちょっとくやしい。
でも、藍のおっぱいだし、ほったらかしにしておくわけにもいかないわよね。
「んじゃ、おっぱいマッサージもしときますかね」
藍の胸に手を伸ばす。
「まず鎖骨リンパと腋リンパを刺激して、おっぱいにちゃんと栄養が行くようにしてと……」
「ふぅ……ん……ふぅ……」
元々そんなにリンパが滞っているわけじゃないから、軽く刺激するだけで良い。
あとは……
「お肉を外から中へ、無理のない力で……丸い形をイメージするように、っと……脇腹を持ち上げるようにして……」
「は………ん……はぅ……」
きめ細やかな肌に、吸い付くような柔らかなお肉。
おっぱい周りをマッサージしてるので、普通のマッサージよりも吐息が多く漏れる。
血行が良くなってるからか、寝てる藍の頬も少し赤くなっている。
なんだろう……ちょっと変な気持ちになってくる。

ガチャ……

「え?」
「ん?」
のみきが病室に入ってきた。
ドアに掛けておいた札は男子禁制だから、女の子の彼女は入って来て問題ないわけだけど……
のみきは顔を真っ赤にして目をそらす。
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「何度かノックはしたんだが……、じゃ……邪魔をした」
「違くてーーー! これ健全なマッサージーーー! 乙女の成長に欠かせないマッサージだからーーー!」
「む、水織先輩のバストマッサージ法か?」
「そ、そう! それ! わかってくれた?」
「うむ、私もお世話になってるからな」
「え……? のみきも……やってるの?」
「形は整えておきたいと思ってやっているのだが、成長に効果がありすぎて困る」
「へー……あぁ、そうなんだー……」
成長度合いって、個人の資質に左右されるのかしら……
藍のお見舞いも終わり、なんだか精神的にダメージを受けた。

診療所を出ると陽は傾き始めていた。
「……迷い橘、ちょっと寄っておこうかな」
山の祭事の開始は、空門の神域にある橘の木に、時季外れの花が付いている期間。
なので、今はまだ咲いていないけど、つぼみの具合とかを確認しておかないといけない。
吊り灯籠で、七影蝶を導く事ができる期間は限られている。
1日も無駄には出来ないから。
山の道を歩く。
暗い夜に何度も歩いているので、馴れた物だった。
「ポン!」
「あ、イナリ。今日は山にいたのね」
「ポン、ポン」
「うん、もうすぐ山の祭事だから、迷い橘を見に行くのよ」
「ポーン」
ついてこいとばかりに、くるんと背中を向けて尻尾をふる。
「そうね、じゃあ案内よろしく」
「ポン♪」
少し変わったキツネ。
あたしの言ってる事を理解してるみたいだけど、この子との出会いもお役目の途中だった。
2年ほど前だったかな。
七影蝶を導いている途中、道の真ん中で倒れているのを見つけた。
声を掛けたら、驚いたように飛び起きて、キョロキョロと周囲を見回していた。
あたしの声に戸惑うように何度も首を傾げたりしてた。
でもそれからは、あたしにべったり。
動物の勘なのか、的確に七影蝶を見つけてくれて、すごく助かった。
時々妙に人間くさいところがあるけど、なんだか懐かしく感じる時もあって今もこうして一緒にいる。
「ポン」
「ん? どうしたの?」
前を歩いていたイナリが立ち止まって、茂みの方を見つめていた。
同じ方を見ると……
「……七影蝶……?」
おぼろげで、弱々しい光を放つ七影蝶が飛んでいた。
初めて見る小ささで、まるで、子供のよう──……
「……! まさか!」
思わず七影蝶に手を伸ばしてしまう。
だけど、七影蝶はふわふわとあたしから距離を取っていく。
「まって! 藍! 藍じゃないの!? ねえ! こっちに来て!」
山の祭事の時なら、吊り灯籠で七影蝶を呼び寄せることができる。
だけど、それ以外の時は普通の蝶と変わらない。
むしろ人を避けて飛んでいく。
「イナリ! あの七影蝶を追いかけて!」
「ポン!!」
山の中に消えていった七影蝶を、イナリが追いかける。
あたしもその後を追う。
もし今のが藍の記憶だとしたら、絶対に捕まえないと!
触れて、記憶を確認して──……
確認して、どうやって捕まえればいいの……?
虫かごとかに入れたところで、あの蝶はすり抜けてしまう。
「灯籠が無くちゃ、七影蝶を引き留められない……」
ううん、灯籠があっても、祭事の時期じゃないと蝶は灯籠の光に集まらない。
なんでこんな時に見つけてしまうの。
藍かもしれない七影蝶を。
「ポーーーン、ポーーーン」
道の先でイナリがあたしを呼んでいた。
今は考えるのはよそう。
藍の七影蝶だったら、それが存在するという事実を得られるだけで今はいい。
確固たる目標が出来るんだから。
イナリの呼び声に導かれるまま、あたしは山道を走った。
陽は落ちていき、周囲が暗くなる。
こうなってくれた方が、淡く光る七影蝶は見つけ易いから都合が良い。
「……ポン」
イナリが姿勢を低くしながら、声を抑えてこちらを見ていた。
そして、視線だけを茂みの方に向ける。
「……いる……わね」
あたしも声を抑えて、イナリと同じ場所を見る。
山道の脇に生えている花に留まって、まるで深呼吸をするようにゆっくりと羽を動かしていた。
本当に小さい蝶だった。
光り方も、どこかまばらで明滅しているようにも見える。
こんなにも弱々しい七影蝶は見たことがない。
意識しなければ見落としてしまいそうなくらいに儚い。
「……逃げないでね」
あたしは息を止めて、ゆっくりと七影蝶に近づく。
わずかなそよ風も起こさないように、細心の注意を払いながら、指先を光に向けて進める。
あと少しで触れることが出来る。
そう思ったとき、七影蝶の羽が大きく動いた。
「待って! 藍!!」
蝶は飛び立つ瞬間の方向は、上か斜め上!
そこに指を向ければ──
今にも消えてしまいそうな光を指先が掠めた。
次の刹那、暗かった夜の視界が、真夏の眩しさに包まれる。
『え……、この記憶は……?』
視界は随分と低い……子供の目線。
これは夏の……記憶?
おぼろげで断片的な島の風景が、何度も繰り返された。
誰かと出会っている。
何度も、何度も。
初めは怯えに近い感情が、浜に打ち寄せる細波のように何度も襲ってきた。
だけどそれは徐々に穏やかになっていく。
この男の子は……誰?
風景はこの島だけど、見たことがない男の子だった。
そして、この男の子を見ているのも誰?
どうして、何度も出会っているんだろう?
この記憶はあまりに不完全過ぎて、意識として繋がらない。
見る度、繰り返す度に、あたしの中でもこぼれ落ちていく。
『はじめまして。──みです』
「私」の挨拶に、男の子は首を傾げる。
『はじめまして……う──?』
『名前です』
『あぁ、俺は、──かはら─いり──』
聞いた言葉が、すぐに塵のように崩れて頭の中で形にならない。
でも、この男の子と「私」はどうしてか、夏に何度も出会ってる。
「私」は……誰なんだろう?
『ポン! ポン!』
「はっ!」
イナリの呼び声で意識が戻る。
「あ……、あたし、今、誰かの記憶を視ていたのね……」
少し頭がクラクラする。
小さな記憶だと思ったけど、なんだか深い意識の渦だった。
そのくせ、形が不安定で、結局頭の中によく分からない物が残滓のように漂っている。
油断すると、記憶を視たということさえ忘れてしまいそうなくらいにあやふやな記憶。
辺りを見回すと、あの小さな七影蝶はもういない。
まるで夏の迷い子のような、そんな記憶だった。
「ポン~……」
「うん、心配かけてごめんね、今のは藍じゃなかったわ」
不安げな目であたしを見ているイナリの頭を優しく撫でる。
「……中華鍋、どこにしまったっけな」
ぽつりと……呟く。
「ポン?」
「ううん、ちょっと、チャーハンが作りたくなっただけよ」
迷い橘までやってきた。
まだ花は咲いていないけど、いくつか小さな蕾の元は見られた。
あたしは深呼吸をして空を見る。
半分だけ満ちた月が浮かんでいた。
この感じだと、満月の頃には、花が咲くと思う。
そしたら……山の祭事を始められる。
吊り灯籠で七影蝶を集められる。
藍を捜せる。


夏休みが始まった。
わざわざ船に乗って学校に行かなくて済むのは楽だ。
部活とか入らなくて良かった。
折角の休みに、制服着て船に乗るのなんて嫌だし。
なのに……、その日は学校に行かなきゃいけなかった。
いや……うん、2学期の選択科目の提出を忘れてたあたしが悪いんだけど。
ちょっと居眠りしてただけなのに。
夏休み終わってから提出したって、全然間に合うじゃない。
島の外はせっかちで、息苦しいわね。
午前中に用事を済まして、島に戻ってくると、港でイナリが待っててくれた。
「ただいま、イナリ」
「ポン♪」
「バイトまで時間あるし、散歩でもしよっか」
「ポーン♪」
島の空気は凄く落ち着く。
土の匂い、緑の匂い、海の匂い。
自然に包まれてほっとする。
「ふわあぁ~……」
「ポン~?」
「えへへ、ちょっと眠くなってきたわね」
この眠り癖だけは、七影蝶探しをしている限りはずっとついて回るんだろうな。
だけど、以前に比べれば記憶の整理も板についてきた気がする。
むしろ小マメな睡眠を取る方が、頭の中がすっきりする。
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「ちょっとだけ、昼寝しよっか」
「ポン」
「え? 見張りをしてくれるの?」
「ポンポン」
「島の中なら変な事起きないし平気よ」
「ポンー」
「そう? じゃあ……ふわぁ……よろしく……」
あたしは木陰の下に座って目を閉じる。
すぐに眠りに落ちる。
同時に、閉じたはずの視界がいくつもの記憶のフラッシュバックに埋められていく。
多すぎる記憶という色彩は、重なると限りなく黒に近づく。
それらを取捨選択して本当に不要な物は、あたしの無意識下の深い部分に沈めていく。
いつかは、溢れてしまうんだろうか……
だけど……七影蝶は探し続けなきゃいけない。
藍を見つけるまでは……
「ん……」
……何か……気配を感じる。
誰かが近づいている……?
でも意識が浮き上がってこない。
体が目覚めようとしない。
どうしてだろう……近づいても大丈夫な人が近づいている……?
イナリが反応しないなら、きっと大丈夫なのよね……
でも……
なんだろう、識ってる……?
この気配、あたしの深い部分に沈んだ記憶がうずく。
誰?
「ん……んう……ん~……」
目を覚ますと、すぐ近くに見知らぬ男の子の顔があった。
島の子じゃ……ない?
って、え? あれ? これって、なんか抱き締められてる?
誰? この子誰??
「うわああああああああああっ!? な、なになに!? あんた誰? なんであたしを抱き締めてんの? 手込めにするつもり!? 最初は優しくお願いしますーーー!」
「最終的には、激しくしてもいいと?」
「いいわけあるかーーーーー! 早く離せーーー!」
新しい夏が始まった気がした。

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<随梦逐流>
 
我无论走到哪里,都会倒头就睡。
这就是我随意触摸七影蝶,并且看到他人记忆的代价。
同时我也深切体会到一点,那就是——人的记忆,确实是在睡梦之中进行整理的。
只是,我好像也没有睡得太沉。
有点像是在梦境和现实之间徘徊。
所以,只要有人靠近,我就一定能醒过来。
「……嗯?你们在干啥呢?」
我睁开眼睛,天善和良一就离我几步远,还神色紧张,姿势怪异。
他们在拼命地在用单脚保持平衡。
「啊......我正打算模拟‘小苍起来啦’的情景呢」
「我在进行遮掩气息来进行扣杀的特训」
「你们俩说的啥我都没听懂……」
「类似于‘雪人先生滚起来啦’」
「乒乓球的特训」
「所以说我没听懂啊……」
「好像他们想试试能离苍多近吧」
「啊,是野美希啊。等等,为啥举着水枪啊?」
「当然是在他们太过靠近的时候射他们啊。毕竟睡梦中的女孩子肯定要好好守着嘛」
野美希放下了水枪。
「苍你也是,你好歹有点防人之心啊。怎么也是个大姑娘了,多少得注意点啊」
「嗯...没那么夸张吧?」
「你这话的根据呢」
「反正我们几个岛上的从小一起玩到大,跟家里人没差太多吧?」
我瞥了一眼良一。
「啊? 别想了,苍可不在我的狩猎范围内,年纪再小点吧」
「你是不是说了什么很危险的话?」
野美希一脸惊讶,握紧了水枪的扳机。
至于天善……
「难道说你那贫瘠的乳房能够催生我劣等的情欲?太失礼了」
「失礼的人是你吧! 我在同龄人里算是很不错的吧!」
「野美希啊,你不是说最近肩痛得更厉害了吗?」
「是啊,最近罩杯又涨了,都到F了」
「小妹妹你又成长了真的可喜可贺啊————!」
我居然输了! 我居然输给野美希了!
我说这是不是有点过分啊? 她明明就是个小个子,却带着这么大的胸器!
「再说,向苍出手这么可怕的事儿,咱可不敢」
「是啊,毕竟我们还是很珍惜性命的」
「嗯? 这话怎么说啊?」
良一和天善各自看向别处,却又异口同声地说到。
「「蓝太可怕了」」
虽然我不是很明白,不过蓝应该是让他俩留下阴影了。
毕竟,我记忆中的蓝,就是个对我很好很好的人。
「呼啊……」
「你还犯困啊?」
我打了声呵欠,野美希无奈地转过头来。
「嗯……因为根本没睡够啊,就是迷迷糊糊地……」
「你在学校也是经常睡,这成绩怎么就那么好啊?」
「当那是我的睡眠学习吧」
这还真不是谎话。
因为频繁触摸七影蝶,我的知识量应该比普通人多一倍……或者说,多很多倍?
反正,我知道的比别人多不少。
我抬头看了眼天空……应该说是看了眼太阳。
「啊,已经2点了,该去打工了」
通过季节和太阳的位置,我大抵就能推测出时间。
这也是通过触摸七影蝶的‘记忆’而“学习”到的知识之一。
我也能通过空气中的气息、划过指尖的湿气,来大抵推测出次日的天气。
「苍啊,总感觉你有时候就像是老婆婆的智囊袋一样」
「那个比喻也太奇怪了吧? 我自己不能成为智囊袋吗?」
「嗯? 那么,苍有时候感觉就像老婆婆一样啊」
「人家可是水灵水灵的高中女生啊——!」


「非常感谢!」
我把卖东西的零钱放在了竹筐里。
在粗点心店打工久了,我也算是很熟悉这里的流程了。
刚来打工的时候,我看着满眼不属于粗点心店的商品目瞪口呆。
一般来说,粗点心店里会有猎枪的子弹吗?
然后也负责代理签收。
比如说那些不太方便直接寄到家里的东西,就可以暂时存放在这里。
「哈……感觉被迫了解大家的秘密了」
难怪店里的老婆婆有那样的话语权,合着原因是这样。
一旦没有了客人,我也就没什么事情干了。
虽然明知没有意义,我还是会把粗点心店里的货架随便整理一下,可这点时间连消遣都算不上。
「嗯?」
我发现好像有人站在不远的阴影处,还不时地看向这边。
「白羽?」
「啊……中,中午好……」
白羽她表情有点茫然,不知所措地走了过来。
「来买什么啊? 还是说要点啥吃的?」
「嗯……那东西差不多应该进货了」
「啊,那个啊,西瓜冰啊」
「对」
「还没呢」
「那打扰了」
「你这走得也太快了! 真的只是为了那个才来的?」
「对啊……」
「我这也没啥客人,都快闲死了,陪我说说话好不好啊?」
「嗯……为什么?」
「你说为什么……嗯? 为什么? 这还需要理由吗?」
「因为,我们最近都没怎么说过话……」
「所以才要说说话嘛,难得来点女生之间的悄悄话怎么样?」
「……可是……,你还是不要太管我比较好」
「啊 ,那个啊,我不介意的啦。我也知道鸣濑家也很不容易」
鸟白岛上,鸣濑家和空门家稍微有点特殊。
一个主导山之祭祀的空门家,一个是负责海之祭祀的鸣濑家。
说是这么说,实际上这都是过去的事情了。
本来,海之祭祀「夏鸟仪式」就是由鸣濑家负责的。
这岛上有个神社叫做鸣濑神社,那个就是因为那个风俗而遗留下来的东西。
在很久以前,传说有能够预知岛上灾害的巫女。
很多岛民都因为那个预知而得救了。
鸣濑家就是那巫女的直系。
我虽然不清楚这预知的原理,但确实有岛民依靠那预知而得救了。
这些事情也是七影蝶告诉我的。
能够知晓过去某人记忆的空门家,仿佛就像是行走的词典。
虽然说触摸七影蝶是禁忌之事,不过我觉得先人们肯定是触摸了。
预知未来的鸣濑,通晓过去的空门。
这两家,算是岛上相对特殊的家族了。
因而,当听到白羽有特殊能力的流言时,我也不觉得是空穴来风。
不过,现在这个时代里,这种事情也不可能到处张扬了。
「……那么,稍微聊一点」
白羽虽然一脸茫然,不过还是坐在了店里的长凳上。
我坐在她的身边。
「……………」
「……………」
两人之间毫无对话。
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「我说,最近白羽有做啥吗?」
「没什么」
「话说也快要暑假了啊,有准备要做什么吗?」
「没什么」
「那有想过要做什么吗?」
「没什么」
「我说你能不能再多说点什么啊!」
「就算你那么说……」
「哈,你为什么变成这种孤独气质了啊。以前大家不都一起玩的吗」
「就算你那么说……」
「所以说,你能不能多说点什么啊!」
「就算你那么说…………」
「啊————! 你以前明明不是这样的啊————!」
「……(笑)」
「啊? 刚才哪有让人笑的地方啊?」
「苍也活泼了不少啊」
「是吗?」
「因为,以前你一直很贴着蓝啊。非常有‘妹妹’的感觉」
「这,真的假的?」
没准,那就是一种自卑感吧。
因为做什么都赢不了蓝,所以心气也变得软弱了吧。
「莫非是使命改变了苍吗?」
「你是说山上的祭祀吗? 说不清楚啊,做那事情,多多少少是有点使命感吧」
我上了初中以后,就开始代替母亲来负责山上的祭祀了。
刚开始,我一个人在夜里走山路的时候,还是挺害怕的。
因为我怎么都忘不掉我那次迷路,以及之后蓝的事情。
我第一次进山,就看到了那种发着光的、不可思议的蝴蝶。
那时候,妈妈其实也在身边,可是,好像只有我看得见它。
毫不知情的我直接碰上了那只蝴蝶。不过运气不错,那是一只知道山上祭祀的蝴蝶。
或许,那就是空门家的先祖吧。
多亏了它,我一夜就完全明白什么事七影蝶,空门家的使命又是什么。
同时也明白了另一件事:蓝是有可能醒过来的。
我下定了决心,无论如何,一定要找到蓝。
或许,我就是从那个时候开始改变的。
「苍……?」
耳边传来有些担忧的声音,我不禁回过神来。
「嗯? 啊,怎么了?」
「因为你突然发起呆了啊」
「啊哈哈,抱歉,突然想起了些事情」
「……灵验显现」
「啊? 什么那是?」
「只要咏唱这个,就能获得神明大人的加护。夜晚的山里,也一定没问题的……应该吧」
白羽她说着说着,眼神却看向别处。
难道说,她是在担心我?
「哈哈,谢谢啊。那个,灵验......性......经............验......! 你让我说什么呀!」
「苍……你怎么变得这么下流了呢?」
「才......才不下流呢! 只是现在这年纪容易多愁善感而已啊——!」
我现在时不时会变得很下流,这肯定是七影蝶的错。
只不过是提前知道了点知识而已,简单说来就是‘男女之事见得多了’。
我绝对不下流,也不可能变得下流。

打工结束后,我走向了岛上的小医院。
因为我要把今天发生的事情都告诉沉睡中的蓝。
「……大概就是这样,白羽的孤独气质可是越来越强了」
我一边比划着,一边对着沉睡中的蓝讲述着今天发生的事情。
虽然她也不可能睁眼,不过我觉得这样做能够更好地传达出我所想表达的东西。
「不过,她心底里还是跟以前一样善良。所以啊,等蓝醒来之后,应该也不会有什么大的变化」
岛上的伙伴们并不会刻意去避开关于蓝的话题。
虽然心底里是有点注意的,但是也到不了完全不能谈的程度。
大概,大家都觉得蓝一定能醒过来吧。
这样的话,无论她什么时候回到我们之中,互相之间也还能交流,所以我们平常也会说起蓝的。
「那么,接下来,蓝……该按摩了」
我两眼放光。
往病房的门上挂上「男士止步」的牌子,开始准备。
照顾好彻底沉睡的蓝,也是我的责任。
比如说用热水浸泡过的毛巾擦拭身体,或者说做做刺激肌肉的按摩什么的。
「那么蓝,脱衣服了」
松开患者服的纽扣,蓝那雪白的肌肤露了出来。
因为她一直呆在房间里,所以皮肤比我还要白。
「诶,唷……」
拧干毛巾,从颈部开始慢慢擦拭。
在稍微擦拭过的地方有些许的微红,这说明这里的血液循环还是不错的。
虽然不能说是有反应,不过因为身体的摇晃或者受压,所以时不时会有点喘息。
「嗯……哈啊……」
偶尔会从蓝的口中流出像这样的色气的声音。
稍微感觉……自己在做很禁忌的事情。
「等下啊————! 我对着双胞胎姐姐瞎想些什么呀————!」
为了挥去杂念,我干脆闭上眼睛不再多想,默默擦拭着蓝的身体。
擦拭完毕,穿好衣服,开始进行刺激肌肉的按摩。
为了防止关节硬化,要稍微将肘部或者膝部弯曲一下。
「嗯……呼……」
又是这样色气的声音。
虽然有点小鹿乱撞……不过这也证明蓝还活着,还是挺让人安心的。
我一边做着按摩,一边看着蓝的睡脸。
时不时会这么想象。
在做着按摩的时候,蓝突然说出一句「好痒啊」,然后睁开了眼睛。
所以我也时不时会刻意往让人感觉痒的方式弄。
虽然有过皱眉,不过那也仅仅是普通的「反射」而已。
话说回来,因为这种按摩,产生了一个很微妙的结果。
「嗯……蓝的胸部的成长好显著啊……」
我们明明是双胞胎……还是她的更丰满一点啊。
为了让她能够在沉睡中也能够顺利成长,我就用了一下水织学姐传授的胸部按摩法,结果就是这个样子。
明明我对我自己也有用,这个差距是为啥啊。
难道说由别人来按摩的话效果会更明显吗?
我有点不甘心。
不过,毕竟也是蓝的胸啊,也不能就这么不管了。
「那么,开始胸部按摩吧」
我把手伸向了蓝的胸。
「首先是要刺激锁骨淋巴和腋下淋巴,让养分能够顺利送往胸部……」
「嗯……嗯……呼……」
原本就没有什么淋巴堆积,所以只需要稍稍刺激一下就好。
然后是……
「用合适的力量,将肉由外向内……做成一个球型……从肋部开始往上提……」
「哈………嗯……哈呜……」
那柔软的肌肉仿佛是贴付在那细腻的肌肤上一般。
因为是在胸部的周围按摩,所以吐息声会比普通的按摩要更为频繁。
因为血液循环变得更好了,所以蓝的脸庞也变得有点红了。
怎么回事……好像感觉变得有点奇怪了。

咔嚓……

「啊?」
「嗯?」
野美希走进了病房。
因为门上挂着的是男生止步的牌子,所以身为女性的她确实可以进来……
野美希瞬间满脸通红地看向别处。
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「我敲了好多次门……打……打扰了」
「不是啊————! 这是健全的按摩——! 这是不让少女的成长有欠缺的按摩啊————!」
「啊,难道说是水织学姐的胸部按摩法吗?」
「对,没错! 就是那个! 你明白的吗?」
「嗯,因为我也用了啊」
「嗯……? 野美希也……在做吗?」
「我只是想把形状控制一下,结果成长过于明显了......有点不知道该怎么办」
「嘿……啊,原来如此啊……」
成长程度这东西,难道和人的资质有关吗……
蓝也探望了,不过总觉得今天受了不少精神上的打击。
我从诊所出来的时候,太阳已经开始西沉了。
「……稍微去一下迷途橘树那里吧」
山之祭祀的时间,是那棵位于空门家神域的橘树花在不合时宜的季节盛开的时期。
所以,虽然现在花还没有开,不过我必须去确认一下花蕾的情况。
因为用手持灯笼来引渡七影蝶的时间是被限制死的。
一天都不能够浪费。
我默默走在山路上。
已经在黑夜之中走过不知多少遍了,人都已经习惯了。
「pon!」
「啊,稻荷啊。你今天原来在山里啊」
「pon,pon」
「嗯,因为离祭祀没多久了,我得去看看迷途橘树」
「po—n」
似乎是在向我说‘跟我来吧’一般,背向我摇晃着尾巴。
「是吗,那么拜托了啊」
「pon♪」
稻荷是匹稍微有点奇怪的狐狸。
它好像能够理解我说的话。我是在祭祀的途中遇到它的。
应该是2年前了吧。
我在引渡七影蝶的途中,看到它倒在路中间。
我试着向它搭话,它马上就被吓得跳了起来,很警戒地看了看周围。
它似乎对我的声音感到挺困惑的,不知道歪了多少次头。
不过在那之后,它就非常粘我了。
不知道是不是动物的直觉,它确实能找到七影蝶,真的帮上了大忙。
时不时感觉它有点人模人样的,时不时又觉得有股怀念的气息,所以就这么待在一起了。
「pon」
「嗯? 怎么了吗?」
走在前面的稻荷突然停下,看向了灌木丛。
我看向了那边……
「……七影蝶……?」
有一只若影若现的、发着很弱的光的七影蝶在那里飞着。
第一次见到这么小的,仿佛,就像是孩子一样……
「……! 难道说!」
下意识地就把手伸向了七影蝶。
然而,七影蝶拍着翅膀,和我拉开了距离。
「等一下! 蓝! 你不是蓝吗!? 喂! 来这边啊!」
如果是在山之祭祀的时候,能够通过手提灯笼来吸引七影蝶。
然而,除此之外,它们就和普通的蝴蝶没什么区别了。
说得简单一些,就是会像普通蝴蝶那样躲着人。
「稻荷! 追上那只七影蝶!」
「pon!!」
稻荷开始追逐那只消失在山中的七影蝶。
我则是远远地跟在后面。
如果说那个是蓝的记忆的话,那么我必须现在就抓住她!
触摸它,确认那份记忆─……
然而要确认,怎么才能抓住它呢……?
就算放进虫箱里,它也会穿过去。
「没有灯笼的话,根本留不住七影蝶啊……」
不对,哪怕有灯笼,如果不是在祭祀的时间内,根本不可能留住七影蝶的。
为什么偏偏在这种时候找到呢。
找到那或许是蓝的七影蝶。
「po———n、po———n」
稻荷在前方呼唤着我。
刚才只是预想。
如果能够确认那个就是蓝的七影蝶,那能够知道她存在的事实,那样就足够了。
这样我就有明确的目标了。
顺着稻荷的叫声,我沿着山道跑过去。
太阳落山了,周围也变暗了。
这样反而更容易看到七影蝶,还是挺乐意的。
「……pon」
稻荷压低了身子,压低了鸣叫声,看向了这边。
然后,只有视线看向了灌木丛。
「……在那里呢」
我也压低了声音,和稻荷一起看过去。
那只七影蝶仿佛就是在深呼吸一样,停在路边的花上,慢慢扇动着翅膀。
真的是一只很小的蝴蝶。
连发光的方式,也是那种忽亮忽暗的样子。
这么弱小的七影蝶,我从来都没有见过。
如果不多加注意的话,就很容易错过。
「……不要逃走啊」
我屏住呼吸,慢慢走向七影蝶。
我谨慎地连些许的风都尽可能地不引起,慢慢地把手指伸向了七影蝶。
还有一点点就能碰到它了。
正当我这么想的时候,七影蝶突然振动起了翅膀。
「等一下! 蓝!!」
蝴蝶在起飞瞬间的方向是斜上方!
把手指伸过去的话——
几乎要消失的光划过了我的指尖。
下一瞬间,原本被黑暗充满的视野,被盛夏的炫目光芒笼罩了。
『嗯……这个记忆是……?』
视野真的很低……像是小孩子的视角。
这是夏天的……记忆?
如同断片一般的岛上的景色,重复了很多很多次。
「我」会和某个人相遇。
很多次很多次。
最开始那如同害怕般的感情,如同海滩上的细小海浪一般不断袭来。
然而情感逐渐变得安稳了。
这个男孩子是……谁啊?
景色虽然是这个岛没错,可是有一个没见过的男孩子。
然后,看着这个男孩子的「我」又是谁?
「我」为什么会一直和他相遇呢?
然而这份记忆实在是太过于不完整,根本不能作为完整的个人意识。
每当看到、每当重复的时候,这份记忆就开始不断凋零。
『初次见面。我是—未』
男孩子听到「我」的招呼,转过头来。
『初次见面……海──?』
『我的名字』
『啊,我是,──原─依里──』
听到的话语,马上就会想尘埃一般散落而不能完整地记住。
然而,不知道为什么,「我」在这个夏天,会无数次地和这个男孩子相遇。
这个「我」……到底是谁呢?
『pon! pon!』
「哈!」
我听到稻荷的叫声,回过神来。
「啊……我,刚才,到底看到了谁的记忆呢……」
脑袋稍微有点晕。
虽然算是个很小的记忆,然而感觉像是被卷进了一个意识的漩涡。
正因如此,它很不稳定,最后仿佛只剩下了残渣一般。
不小心的话,连看过这个记忆的事情估计都有可能忘记。
看了看周围,那只七影蝶已经不见了。
仿佛就像是在夏天迷路的孩子一般的记忆。
「pon~……」
「嗯,抱歉啊,让你担心了,刚才那个不是蓝的记忆」
我慢慢地抚摸着一脸担心地看着我的稻荷。
「……炒锅,放到哪里去了呢」
无心的……喃喃自语。
「pon?」
「没什么,只是,稍微想做下炒饭而已」
我走到了迷途橘树下。
虽然花还没有盛开,不过已经能够看到好几个花蕾了。
我深呼吸,看了眼天空。
只有一半的月亮高悬夜空。
如果这样的话,大概到满月的时候,花就开了。
然后……山之祭祀就要开始了。
我就能够通过灯笼来吸引七影蝶了。
我就能够去找蓝了。


暑假开始了。
不用坐船去学校的日子真的令人感到舒适。
没加入社团真的是太棒了。
毕竟难得的假日,穿着校服坐船去学校真的很难受。
然而……那天却不能不去学校。
不是……应该说,原因是我忘了提交第二学期的选修课。
我只是睡着了而已。
哪怕到暑假结束的时候提交,不也完全来得及吗。
岛外真的是又麻烦又让人不适啊。
在中午前搞完事情,回到港口,稻荷已经在那里等我了。
「我回来了,稻荷」
「pon♪」
「离打工还有点时间,稍微散散步吧」
「pon—♪」
岛上的空气真的很让人安心。
泥土的气息、绿色的气息、大海的气息。
身处自然真的令人安心。
「呼啊~……」
「pon~?」
「诶嘿嘿,稍微有点犯困了呢」
这个习惯,怕是在寻找七影蝶的过程里会一直陪伴着我吧。
不过,比起以前,我现在早就习惯整理记忆了。
不如说,在经过这种浅层睡眠后,大脑反而会更清晰。
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「那么,稍微睡个午觉啊」
「pon」
「嗯? 你会帮我望风吗?」
「ponpon」
「岛上也不会有什么奇怪的事情发生,没事的啦」
「pon—」
「是吗? 那么……呼啊……拜托了……」
我做到树荫下,闭上了眼睛。
我很快就睡着了。
同时,闭上的眼睛前则是充满了许多记忆的回放。
多到数不清的记忆的色彩,重叠在一起后,可以说无限接近于黑色。
在经过选择后,确定不需要的东西会被我无意识地放进记忆的深处。
不知道,哪天会满到溢出呢……
可是……我必须继续寻找七影蝶。
至少等找到蓝为止……
「嗯……」
……好像……感觉到了什么。
好像有人在靠近……?
可是我的意识并没有上浮。
身体也没有要醒来的样子。
为什么呢……难道是哪怕靠近也没问题的人在靠近吗……?
稻荷没有反应的话,应该是个没有问题的人吧……
可是……
怎么觉得,我知道……?
这个气息,好像让我沉睡在深处的记忆感到疼痛。
谁啊?
「嗯……嗯……嗯~……」
我睁开眼睛,眼前是一个没有见过的男孩子。
好像……不是岛上的人?
等下,诶? 等下? 我好像,被抱着?
谁啊? 这人谁啊??
「呜哇啊啊啊啊啊啊!? 什,什么什么!? 你谁啊? 你为什么抱着我啊? 难道要对我出手吗!? 最开始请温柔点啊——!」
「最后变得激烈也可以吗?」
「怎么可能啊————! 快点走开啊————!」
我感觉,崭新的夏天拉开了序幕。

  1. 非常感谢书书先生的慷慨授权,在下无以为报,唯谨此说明。~~来自一名无名小辈的留言。